第四歌集「愛と死の歌」 – 辞世の短歌

君は云うなぜ神様はこんなにもいじわるなのか我れ末期癌
平成十七年三月五日

フリージア死の床にある我れのため母が贈ってくれし花なり
平成十七年三月六日

三ヶ月余命宣告されし日のわが枕許に赤いチューリップ
平成十七年三月十二日

むらさきにあじさいひっそり咲く朝にわたしはそっと逝きたいのです
平成十七年三月十四日

ひまわりの咲く季節までわたしの意識あるでしょうか誰か教えて
平成十七年三月十六日

散る前に最期の桜見たいのよ癌病棟の薄日の中で
平成十七年三月二十二日

雨の日はばらのつぼみがにあいます若く死にゆくわたしのようで
平成十七年三月二十二日

病院のベッドはつらいことばかり癌の花びらはやく散ってよ
平成十七年三月二十二日

ママと聴くクラシックは切なくてママはあまりに美しすぎて
平成十七年三月二十三日

病床であなたと聴くは月光ソナタこゝにいるから泣いたりしないで
平成十七年三月二十三日

お見舞にもらった桜生きているうちに見られてうれしかったの
平成十七年三月二十七日

宮田 美乃里

魂の切影写真集

第四歌集「愛と死の歌」
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従軍看護婦のために辞世の短歌未発表作品


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