1960年~70年 2

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夏樹静子氏。文芸の世界に同期生というものがあるとすれば、夏樹氏はまさに私の同期生である。作家デビューもほぼ同時期、第26回日本推理作家協会賞も夏樹氏の『蒸発』と共に同時受賞した。
上品な和服をしっとりと着こなした夏樹氏と私が並んで受賞席に座ったとき、選考委員の1人であった菊村到氏が結婚披露宴みたいだと言った。私もなんとなくそんな気がした。もう少し早く夏樹氏と出会っていたなら、どうなっていたかわからない。夏樹氏が一時期、自殺まで考えたという腰痛も、ほぼ同時期に患い、 同じ医者にかかって医院でよく一緒になった。夏樹氏の症状の方が重く、この状態では書けないと嘆く夏樹氏を、あなたは私の戦友だから、途中でやめられては困ると言って励ました。


第26回日本推理作家協会賞授賞式にて。
右・同時受賞の夏樹静子氏。


紀伊國屋書店のパーティーにて。
右・前紀伊國屋書店社長・田辺茂一氏、
中央・いまは存在しない伝説的な銀座の文壇バー眉の経営者・長塚まさ子氏。
撮影・若月英生氏。


右・前紀伊國屋書店社長・田辺茂一氏


第10回小説現代ゴールデン読者賞受賞(1974年)、40歳。
前列中央・当時文芸局長・故三木章氏、左端・編集長・駒井皓二氏、右端・成田守正氏。
後列左端・玉川総一郎氏、左から2人目・小田島雅和氏、3人目・宮田昭宏氏、右端・鈴木貞史氏。
写真提供:講談社


小説現代ゴールデン読者賞受賞式
写真提供:講談社


小説現代ゴールデン読者賞受賞式
写真提供:講談社

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