憲法九条名言集8

不破哲三氏

「いま進んでいる憲法改定の焦点としてどこに最大の問題があるかは、この経過のなかに、鮮明に浮かび上がってきています。
浮かび上がっているその焦点とは、
──自衛隊を、海外で、米軍といっしょに戦争のできる軍隊に変えること、
──そして日本が、そういう戦争能力を持った同盟国として、アメリカの戦争に参戦できる国になること、まさに、この点であります。」


杉原泰雄氏

「憲法第九条は、軍隊と戦争が伝統的な意義をもちえなくなったとの認識を示すものであった。伝統的には、軍隊と戦争は、外国の侵略から国家の独立と国民の人権を守る最後手段として、国家に不可欠なものと考えられてきた。世界の大多数の国は、いまなおこの考え方をとっている。憲法第九条は、広島・長崎の経験をふまえて、軍隊と戦争がそのような手段としての性格をもちえなくなったとの認識に立ち、伝統的な考え方と決別することを示すものであった。」


ジェームス・三木氏

「(前略)皮肉なことに今の日本は、アメリカの世界戦略に組み込まれ、韓国とともに極東の防波堤にされています。戦争はなくならない、国際紛争の解決は武力によるしかない、それが世界の現実だという考えが、自衛隊という名の軍隊を生みました。その自衛隊を合法化するために、憲法を改正するというのは、できちゃった結婚とよく似ています。
国家の基本法である憲法は、国家権力の暴走を戒める縄のようなもので、国民が改正を望むならまだしも、権力側にある者が、縄を解いてくれというのは、うさん臭いと思わなければなりません。
目先の現実ではなく、百年後に視点を据えれば、人類の滅亡を防ぐために、私たちが何をすればよいのかが、鮮明に見えてくるはずです。日本国憲法はまさしく、人類の理想への道しるべなのです。」


三浦恒夫氏

自国の憲法を歌にして歌っているという歌手を、きたがわてつ以外に私は知らない。しかも、彼は日本国憲法前文はラブソングだと言う。ラブソングと言いきった彼の言葉は心地よい衝撃だった。
唯一の被爆国としての悲しみと戦争の反省から生まれた日本国憲法に守られ戦後の六十年が過ぎたが、日本国憲法をラブソングという意味は軽くはない。

山も 川も 海も
父も 母も 空も 大地も
労働も希望もあそびも旅も風景も
憎悪の連鎖さえものみ込んで
うたは ありがとうの心つたえ
うたは 心ひらき
うたは 許しあい励ましあい
うたは 夢になり希望になり
うたは 愛を讃える
うたは そのとき・・・
時代の風になり
季節の光になる

きたがわてつの三十周年を祝う。
シュクラン・ジャジーラン


小林カツ代氏

前略 ― 憲法のしばりがあればこそ守られている平和が、迷彩服に身を固め、武器を備えてイラクに出向く自衛隊によって、確実に破られつつあります。小泉氏はじめ、派兵賛成派がことあるごとに言う言葉「お金しか(、、)出さない日本。これでは真に平和貢献と言えない」。 ― 中略 ― お金しか(、、)? お金さえ(。、)? なんですかそれ! 冗談じゃない。国民の中の派兵賛成派も正義感に燃えて錯覚している。なぜ錯覚かというと、金だけじゃねえという。そのお金は、誰が稼いでいると思っているのか。私たち国民が、毎日、働いて働いて、くたびれて果てて得るお金がまさに血税。イラクまで行って何かをするわけでなくとも、この日本で、体をこき使ってよその国に、それも多額のお金をあげるのです。平和にために何もしない、なんて二度と言って下さるな。


9条は世界の普遍的精神 作家 井上ひさし氏

第2次世界大戦で、パリ・ローマは無防備都市を宣言した。私たちの街にはたくさんの文化遺産がある。市民は戦争を望んでいないと、オープンシティーを宣言する。
そうすると、そこを攻撃してはいけないとなり、パリもローマも第2次世界大戦中、一切の戦闘が行われなかった。
1977年に「戦争で死ぬのは95%以上が普通の市民である」と、国際的な戦争の取り決めをしたジュネーブ条約のなかに議定書が決められた。この街には戦闘員がいない。全部撤退した。何の防備もない。市民は戦いたいとは思っていないと宣言すると、無防備地域になる。敵は一切攻撃できなくなる。
きっかけは日本国憲法。戦争を放棄する国を国際的に守るために無防備地域を国際的に決めようということになった。これを推し進めた力は、疑いもなく日本国憲法前文と第9条だ。


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