魔性の群像

〈隣魔/食魔/ノロ魔/電話魔/猫魔/社魔/痴魔/煙魔/車魔/音魔〉

【著者解説 2002/9/5】

中世は、人間はあやかしと共生していた。だが、それらのあやかしは昔にはどんなにおどろおどろしく、異界にまたがるような非現実性があっても、どこかに人間味があった。今日の魔性は異界にまたがらず、紛れもなくこの世界に所属し、この社会に生きている人間から発生したものでありながら、非人間的な精神の奇形が多い。物質文明の飛躍的な発達に置き残された精神が奇形化したと言おうか。現代に生きている間に心が歪んでしまった人間の群像を追いつづけている間に、この作品と『魔痕』にまとまった。現代の魔性の群像を追いつづける作者自身も、魔性に取り憑かれた一人かもしれない。

徳間書店
1999.2
トクマ・ノベルズ
2005.11
徳間文庫
2008.6

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。


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