忠臣蔵(上下)

【著者解説 2002/8/1】

『高層の死角』でデビューを果たし、『新幹線殺人事件』、『密閉山脈』等が好調であった私は、推理作家協会懇親会の席上で、「週刊朝日」の重金敦之氏と偶然席が隣り合った。重金氏は「次はなにを書く予定ですか」と問うた。私は答えに窮したが、作家になる前から好きであった『忠臣蔵』を想起して、咄嗟に次の作品テーマとして告げた。すると、重金氏は身体を乗り出して、「その節は、ぜひ『週刊朝日』に書いてください」と言った。

私は単なる社交辞令かとおもっていたが、それから毎年、協会の懇親会パーティーの時期に催促してきた。だが、推理小説の執筆に追われていた私は、週刊誌はサイクルが速いから、そのうち重金氏も異動するか、忘れてしまうだろうと言を左右にして逃げまくった。だが、重金氏は異動も忘れもせず、毎年、催促してきた。

私はだんだん追いつめられて、まず資料を集めた。神田小宮山書店の当時の若旦那が軽トラ一杯分ほどの資料を運んで来てくれた。資料の山に埋もれ、10年目にして、そろそろ書けるのではないかと短編『真説忠臣蔵』を「小説新潮」に数作発表した後、ようやく自信を得て、連載開始を重金氏に告げた。重金氏もよく待ってくれたものである。

この間、『悪魔の飽食』騒動が発生して、マスコミと右筋の攻撃を元禄期に疎開して躱した。これも重金氏という熱心な編集者との出会いによって生まれた作品である。

朝日新聞社(上)
1986.1
朝日新聞社(下)
1986.1
*朝日新聞社
忠臣蔵(上)
1988.6
*朝日新聞社
忠臣蔵(中)
1988.6
*朝日新聞社
忠臣蔵(下)
1988.6
角川文庫
忠臣蔵1
1988.9
角川文庫
忠臣蔵2
1988.9
角川文庫
忠臣蔵3
1988,10
角川文庫
忠臣蔵4
1988,10
角川文庫
忠臣蔵5
1988.,11
講談社文庫
忠臣蔵(上)
1991.11
講談社文庫
忠臣蔵(下)
1991.12
朝日文庫
忠臣蔵(上)
1993.11
朝日文庫
忠臣蔵(下)
1993.11
徳間文庫
忠臣蔵(上)
2007.11
徳間文庫
忠臣蔵(下)
2007.11

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。


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