君に白い羽根を返せ

【著者解説 2003/3/10】

たぶん学生時代に「四枚の羽根」という古い洋画を観た。細かなストーリーは忘れたが、主人公が恋人と友人4人から、4枚の白い羽をもらった。白い羽は卑怯者のしるしである。卑怯な仕打ちを責められて、恋人と親友たちから絶交された主人公は、これを自分に課せられた債務として、やがて戦争が勃発して敵の捕虜となった恋人と親友たちを生命をかけて救い出し、4枚の羽を返すという物語である。

当時、この映画に強く感動した私は、後年、新婚旅行で妻を眼前で暴力団に犯された主人公が、癌を宣告されてから、限られた寿命の間に暴力団に報復するというこの作品の着想を得た。数十年前の体験や感動が、長い休眠の後よみがえって、作品に実った例は、この作品以外にも『人間の証明』や『銀河鉄道殺人事件』などがある。

*角川書店
1986.11
角川文庫
1988.1
講談社文庫
(復讐の花期)
1998.3

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。


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