「人間の森」を撃つ 森村誠一作品とその時代

戦後昭和から平成の現代まで、変貌する時代のさまざまな問題と人間の在り方に着目し、半世紀にわたって多くのベストセラー作品を生んだ森村誠一。その〝宿命〟の原風景と、森村作品が問いかけてきたものの核心にせまる!

著:成田守正
単行本:320ページ
出版社:田畑書店
価格:2,800円+税

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「あとがき」より
人間はどうあっても犯罪を断ち切れない。そこに人間のいかんともしがたい在り方と悲しさが露出するというのが、森村作品全般に通じる視点である。そして、人間という存在のなくならない謎の広がりという意味をこめて、しばしば「人間の森」あるいは「人間の海」と表現する。当然、その「人間の森」の様相は時代の移ろいとともに変化していく。森村誠一はその変化に応じて、いまの世で何が起きているのかと問題意識をもって時代性の核心を問い、時代と人間がどう絡み合っていくのかを描いてきた。「時代と人間」を描く作家と評するのはその視点の一貫性をもってである。

目次

第一章

雌伏期の「怨念」
〈青の時代〉の作品群
処女長編小説『大都会』
「忠臣サラリーマン」の時代
森村誠一のサラリーマン体験
作家への旅立ち
『幻の墓』が描く復讐
「怨念」の正体
生きがいとしての「怨念」
「怨念」のゆくえ
森村誠一の「怨念」

第二章

本格推理小説への挑戦
戦後ミステリー界の流れ
突破者としての森村誠一
『高層の死角』の画期性
本格推理の展開

第三章

短編小説と社会派推理
「題材」と「構成」
人間の〃業〃に迫る短編小説
社会派長編推理の標的
政治家の資質に迫る『黒い神座』

第四章

「証明」と「十字架」のシリーズ
人間とは何かを問う『人間の証明』
人間らしさの極限に迫る「証明」シリーズ
生き方の選択を問う「十字架」シリーズ
「債務」の正体

第五章

戦争を描く作品と『悪魔の飽食』
終戦の日の戦禍
戦争を題材とした作品
『悪魔の飽食』の衝撃と波紋
写真誤用問題の経緯
『新・人間の証明』と七三一関係者の戦後
ベトナム戦争を描く『人間の源流』

第六章

時代小説への雄飛
歴史への視点と史観
森村版『忠臣蔵』の視点
『新選組』と前期の他作品
後期の時代小説と、吉川賞受賞作『悪道』

第七章

人気キャラクターの躍動
警視庁那須班のロマンティシズム
牛尾刑事の優しい眼差し
孤独を運命づけられた棟居刑事
個性派揃いの所轄署刑事と作家・北村直樹

第八章

埋もれた歴史を視界に
狂信宗教の非人間性を衝く
宗教が題材のその他の作品
戦中、戦後の埋もれた歴史を発掘
『南十字星の誓い』と〃和解〃への願い

あとがき

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共犯者-編集者のたくらみ

「実に面白い。心が躍る。血が騒ぐ。本書は血と汗と涙が飛び散る、稀有な「編集者血風録」である。」見城徹(幻冬舎社長)

「芝田暁のおかげで『血と骨』はミリオンセラーになり、莫大な借金を完済できた。『共犯者』に感謝する。」梁石日(作家)

「編集者から作家に乗り変えた芝田暁氏は、凄まじい大都会の生きるための争いから汚れた風と音に乗り、心に棲む夢の未来に限りなくつづく見えない山の頂から人生を踏む。「香り高き」夢を朝焼けが染める。」森村誠一(作家)

「本書は、暗く尖った言葉と破天荒の物語で世の常識をふみやぶる作家との強固なタッグを願い、実現しつづける編集者、芝田暁の中仕切り的な自伝である。」高橋敏夫(早稲田大学文学部教授)

著:芝田暁
単行本:328ページ
出版社:駒草出版
価格:1,800円+税

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【目次】

序章 激震
『夢の国』を届ける
美達大和の正体

第一章 梁石日と出会う
『夜を賭けて』直木賞落選の瞬間
文芸編集者という仕事
梁石日から原稿をもらう
マルエン全集で有名な大月書店入社
徳間書店に転職し西村寿行の担当になる
荒巻義雄『紺碧の艦隊』シリーズが大ヒット
浅田次郎の作品は書店のノベルスの棚で知った
山田正紀『おとり捜査官』シリーズでミスリード
幻冬舎転職のきっかけは喫煙室だった

第二章 『血と骨』誕生
『血と骨』は幻冬舎でと梁石日は言ってくれた
幻冬舎文庫創刊で梁石日と浅田次郎の二冊を担当
牛島信『株主総会』で衝撃デビュー
『突破者』宮崎学に出会う
『血と骨』山本周五郎賞受賞
『血と骨』も直木賞落選
『血と骨』から『睡魔』へ

第三章 『夜を賭けて』映画化
中村満との運命的な出会い
郭充良と金守珍が実現した奇跡
大谷昭宏が宮崎学をグリコ・森永事件の真犯人と疑う
新堂冬樹の作品も書店のノベルスの棚で知った
松井計『ホームレス作家』は一本の電話から

第四章 『血と骨』映画化
映像化の申し込みが殺到
幻冬舎を円満退社
盟友木戸次郎と出会う
スパイス創業
国際派の作家山田真美との出会い
一冊目の山田真美『死との対話』を出版
ついに映画「血と骨」公開
木戸次郎『修羅場の鉄則』を出版、即重版
宮崎学『愚者から愚民へ』の普遍性

第五章 写真俳句の発見
スパイス創業時から資金繰りに苦しむ
森村誠一の公式サイトで「写真俳句」を見つける
『森村誠一の写真俳句のすすめ』が異例の売れ行きに
西村健『笑い犬』の原稿が完成した
スパイス存亡の危機
社員ふたりになりオフィスを引っ越す

終章 退場
スパイス廃業
『夢の国』のそれから
『警視庁捜査一課刑事』飯田裕久を失う
永瀬隼介『帝の毒薬』誕生秘話
三浦英之『南三陸日記』の奇跡

解説 高橋敏夫(文芸評論家・早稲田大学教授)

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