死者の配達人

妻の不貞が原因で離婚し、三十数年勤めた会社も辞めた北尾俊也は旅に出た。学生時代に、北アルプス穂高からの下山途中に知り合い、愛欲の果てに殺した女性を埋めた現場を再訪する旅だった。ところが、その現場付近で女子高生の死体が発見され、さらに、失恋のため自殺しようと穂高を訪れたという美貌の女性、中町由美子と出会う。由美子は、北尾に声をかけられて自殺を思い止まったと言う。事の展開に因縁めいたものを感じた北尾は、由美子とともに、女子高生殺害事件の調査に乗り出すが、やがてその背後に愛知県下の一家惨殺放火事件が浮かび上がった…。連鎖する凶悪殺人事件と、人生の秋を迎えた男の心理が見事に絡み合う傑作本格推理。

祥伝社
1997.7

*祥伝社
2000.4

祥伝社文庫
2002.1

講談社文庫
2010.8

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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