人生の究極

満天の星凍りても生きており

三陸地方を空前絶後の巨大津波が襲った。多数の人命が失われ、辛うじて生き残った被災者も、家族や、家や、財産、仕事、動物、郷里まで失ってしまった。

作家の多くは言葉の無力を思い知らされた。大震災が発生した夜、満天に星が凍りつくように光っていた。すべてを失い、絶望のどん底にたたき込まれた人の中にも、この星空を見上げている人がいるかもしれないとおもった。

すべてを失っても、生きている事実を大切にして欲しいと願った。

そして、私は書きつづけると自らに誓った。

講談社
2013.3

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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