銀の虚城(ホテル)

【著者解説 2002/8/30】

『大都会』以後、『幻の墓』、『不良社員群』と立てつづけに出版されたが、まったく売れない。さしもの那須編集長も頭を抱えて、「うちだけでは読者が拡がらないから、よその社からも出した方がいい」と勧められて、紹介された出版社へこの作品の原稿を持ち込んだ。ところが、「小説になっていない。小説のいろはから勉強しなさい」と言われて、原稿を突き返された。やむを得ず那須氏が引き取り、青樹社から出版すると、珍しく初版4000部が一気にはけて、社長も少し気をよくした。おかげで『分水嶺』、『むごく静かに殺せ』が出版された。

青樹社
1968.3

角川文庫
1974.8

廣済堂文庫
1993.4

ハルキ文庫
1997.12

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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