【著者解説 2002/8/9】
祥伝社前社長・故伊賀弘三良氏と一緒に飲んでいたとき、犯人がわかって、物語がすべて解決した時点から、まったく新しい事件の様相が露れるというような構成の推理を書いてくれないかという委嘱を受けて、頭を抱えた。しかも、それを週刊誌の連載でやれという難しい注文である。とりあえず作品の舞台として、信州・高遠や、伊那、中央アルプス取材に行った。こうして「週刊ポスト」に連載を始めたのがこの作品である。
伊賀氏の注文通りになったかどうかわからないが、この作品中の文章が文学碑となって、駒ヶ岳ロープウェイの山麓駅、しらび平に立てられている。私にはその碑文が、故伊賀氏の碑銘のような気がしてならない。
*祥伝社 1973.12 |
角川文庫 1976.5 |
*祥伝社 1979.5 |
祥伝社 (ノンポシェット) 1992.4 |
*青樹社 1995.11 |
講談社文庫 1996.3 |
徳間書店 2007.3 |
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。