【著者解説 2003/3/10】
作品はまず着想や構想が先行して、ある程度骨格が定まった後、タイトルがつけられる場合が多い。この作品のタイトルには、キリストの「山上の垂訓」が下敷きにあった。まずタイトルが先行して作品が構想された珍しいケースである。
キリストが山上で神の子として行なった正義と愛についての説教を、ミステリーに換骨奪胎して、本格推理小説を構築した。私の作品中、タイトル先行型には本作以外に、『相死相愛』や、『指定席』、『大都会』、『駅』などがある。
*講談社 1985.1 |
講談社文庫 1988.1 |
角川文庫 1996.11 |
集英社文庫 2001.10 |
中国語版 2000.10 |
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。