【著者解説 2002/8/27】
眠っている間に、自分の内臓が他人の内臓とすり替えられてしまう。そのような犯罪が果たして可能かどうか。その着想からこの作品は発した。推理小説は不可能を論理的に可能にしなければならない。アルピニストが一見、登山不可能な難峰に闘志をそそられるように、推理作家は謎が深く難解であれば あるほど執筆欲をそそられる。私の医学の窓口である堺市の耳原総合病院の川崎美榮子医博に打診したところ、可能だという答えを得て、この作品に取りかかっ た。
*文藝春秋 1985.9 |
文藝春秋 1988.6 |
文春文庫 1991.6 |
ハルキ文庫 1999.2 |
中公文庫 2002.12 |
徳間文庫 2009.9 |
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。