【著者解説 2002/8/20】
特高(戦時中の思想警察)のイメージがあるせいか、私は公安が好きになれない。それに対して刑事は好きである。市民の生活と生命の安全を守る刑事警察は、 天下国家のためでなく、人間のために社会の悪と不正と戦っているような気がする。自分の家族が危機に瀕していても、その救出は一番最後に回し、赤の他人の 安全のために身を挺する刑事警察の使命感こそ、警察のあるべき姿ではないか。刑事の理念を追求したのがこの作品である。たとえ現実の警察と開きがあったとしても、理念として警察を描けるのが小説の特権である。
新潮社 1987.3 |
新潮文庫 1989.11 |
祥伝社 (ノン・ポシェット) 1993.3 |
角川文庫 1995.7 |
徳間文庫 2002.3 |
集英社文庫 2008.9 |
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。