泰平の世の人心を引き締めるため幕府が復活させた“鋸挽きの刑”。しかしその最初の科人となった美しい娘は、ある夜晒し場で惨殺されてしまう。抜群の嗅覚をもった同心・祖式弦一郎は、事件の裏に潜む巨悪の存在をつきとめるのだが…。この事件を皮切りに、江戸市中で起こる怪事件を陰で操る姿見えぬ敵との闘いが始まる。
〈悪の狩人/供養千両/猫のご落胤/怨み茸/女神の焚殺/誘死香〉
【著者解説 2002/8/9】
『ミッドウェイ』以後、鈴木文彦、笹本弘一、勝尾聡編集長と引き継がれ、約8年間、全8巻、『非道人別長』が「オール読み物」に連載された。連載開始にあたって、鈴木氏から毎月はどうかと言われたが、私には自信がなかった。もし毎月の連載であったら、とても8年は保たなかったかもしれない。
文藝春秋
1994.9
*文藝春秋
1998.2
文春文庫
2000.4
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。