企業特訓殺人事件

「一人や二人の新人が死んでも、会社の存続にとって物の数ではない!」業界屈指の発展ぶりで注目される化粧品会社粧美堂の営業課長大津は、研修会の席上で冷然と言い放った。二年前、会社の新人養成特訓中、病弱な兄をしごき抜き、遂に死に至らしめた男が今、速水正吾の目の前にいる。兄の死の真相を探るため、敢えて粧美堂へ入社した正吾は、仇の正体をはっきり認識すると、爆発しそうな怒りを必死に抑え、大津に対する復讐の計画を秘かに練りはじめるのだった……。

〈腐った流域/浜名湖東方十五キロの地点/螺旋の返礼/受胎請負師/情事の欠陥/虚業のピエロ/剥がされた仮面/企業特訓殺人事件〉

青樹社
1970.5

角川文庫
1978.2

スポニチ出版社
(剥がされた仮面)
1978.8

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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