死を描く影絵

矢吹は新幹線利用の通勤者である。毎夜、帰路の席も決まっている。半年ほど前から、二人のOL風の女が、彼の反対側の席を占めるようになった。無神経な雑談。容赦なく煙を吐き散らす煙草。矢吹の生活パターンが微妙にずれてきた。彼女たちに対する憎しみが積み重なり、ついに殺意となり…。(「帰路」より)。秀作7編収録の短編集。

〈犯人のいない人生/帰路/恋刑/夜の声/余命の正義/音/街角の切り花〉

光文社
1991.5

*光文社
1994.2

光文社文庫
1998.3

講談社文庫
2003.9

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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