砂漠の喫茶店

帯広は間もなく定年を迎える刑事だ。彼の最近の趣味は、家の近所に見付けた喫茶店へ足を運ぶこと。そこで出会った人々との交流を楽しむ毎日を送っていたある日、雑木林で若い女性の変死体が発見された。帯広はその女性に見覚えがあり……。
棟居刑事と共に捜査を進めるうち、別の女性の失踪事件やとある政治家の影が浮上する――!

【著者解説 2002/8/27】

『人間の海』の拠点として喫茶店を選んだ。酒場の常連が飲み友達として親しくなるのは珍しくないが、喫茶店のコーヒー友達というのは聞いたことがない。喫茶店の常連は飲み友達よりも連帯が薄い。だが、そこにより都会的なクールな人間関係が生まれるような気がする。それをヒントに構想したのがこの作品である。

実業之日本社
1999.3

*実業之日本社
2001.4

中公文庫
2004.5

光文社文庫
2021.1

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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