遺書配達人

棟居刑事は出張先の四国霊場・遍路宿で元区役所吏員の野田と相部屋になる。彼は現役時代に世話をした行路病者やホームレスの遺書を、遺族に届ける旅をしていた。その日所持していた遺書の主は、新宿中央公園で就眠中を襲われ死亡したホームレスだった。娘のために買い、身につけていたネックレスが死亡時に紛失していたという。そのネックレスが、東京で起きたコンビニ強盗事件の防犯カメラに映っていた(表題作)。切ない余韻が美しい叙情推理の傑作全九篇。

〈ケルンの一石/遺書配達人/不倫車/花びらののこる席/青春の破片/戦場の音楽祭/異国の風/迷惑屋/人生の駐輪場〉

徳間書店
2010.5

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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