虚無の道標

老舗のデパート・都屋百貨店の営業企画室に勤務するエリート社員・有馬正一が中心になって推進した支店系列化計画は大成功を収めたかにみえた。が、喜びも束の間、都屋百貨店の強引なやり方に抗議して小売店の老夫婦が飛び降り自殺をし、有馬はその責任をとり会社を辞めることになった。さらに傷心の有馬を襲ってもう一つの事件が…。人間の自己回復を描く感動の力作長篇。(「BOOK」データベースより)

【著者解説 2002/8/1】

『高層の死角』が受賞する前に、本作1600枚を書き下ろして、那須氏のもとへ持ち込んだ。さすがの那須氏も困惑して、1200枚に切りつめてくれと言った。400枚刈り込むのは大変な作業であったが、とにかく1200枚にして持ちこんだが、オクラになった。

そのうちに乱歩賞を受賞して、急遽、本作が出版の運びとなった。予告には、なんと受賞前第1作と書かれていた。

青樹社
1969.1

角川文庫
1975.3

毎日新聞社
1976.9

講談社
(長編推理選集)
1977.10

廣済堂文庫
1993.7

ハルキ文庫
1997.7

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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