虚構の空路

新幹線の車内で起きた毒殺事件と、都内のホテルで起こった刺殺事件。この二つの殺人事件の被害者は、同じ旅行代理店に勤務していた。だが、その線から捜査陣があぶり出した有力容疑者には、完全なアリバイがあった…。専門知識を駆使し、犯人が仕掛けた鉄壁のアリバイに敢然と挑む捜査陣。男の野望と苦悩と挫折を描く、本格長篇ミステリーの傑作。(「BOOK」データベースより)

【著者解説 2002/8/30】

乱歩賞を受賞して舞い上がった私は、旧知の先輩作家、佐賀潜氏に挨拶に行った。佐賀氏は私の顔を見るなり、「それで次の作品はできているのか」と問うた。私は少しうろたえて、「いえ、まだです」と答えると、「なにをやっているんだ。ぼくのところへ遊びに来る 閑(ひま)があるなら、第2作目を書きたまえ。受賞作が出るころには、第2作、第3作ができ上がっているようでないと、この世界では生きていけないぞ」と発破をかけられた。早速、閉じこもって書いたのがこの作品である。

講談社
1970.3

*講談社
1973.3

講談社文庫
1974.7

角川文庫
1976.6

青樹社文庫
1993.12

ケイブンシャ文庫
1996.6

ハルキ文庫
1999.12

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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