“K岳山頂から灯火を愛の信号にして送る”山麓で待つ恋人・湯浅貴久子にそう約束して山頂を目指した影山隼人だったが、送られてきたのは遭難信号だった! 翌朝、山仲間の真柄慎二と救援隊により影山の遺体が発見された。事故か、他殺か? 遺されたヘルメットは何を物語る⁉ 北アルプスの高峰に構築された密室で起きたこととは―。山岳ミステリーの白眉!
【著者解説 2002/8/1】
『新幹線殺人事件』以後、順風満帆となった私を、トップバッターとして講談社が乱歩賞作家書き下ろしシリーズを企画した。2人ペアを組んで、1ヶ月に2冊ずつ刊行するというシリーズである。
私は当時の超売れっ子作家・佐賀潜氏と組むことになった。だが、佐賀氏が病床につき、私の作品はでき上がったが、佐賀氏の作品が完成せず、出版が遅れた。佐賀氏は病の床で最後まで口述をつづけたが、ついに訃報を聞いた。この作品には佐賀氏の無念もこもっている。
講談社
1971.2
*講談社
1972.11
*講談社
講談社文庫
1974.1
角川文庫
1976.6
*光文社
1984.4
*青樹社
1992.2
廣済堂文庫
1995.5
青樹社文庫
1999.8
中公文庫
2003.8
光文社文庫
2015.10
長編推理選集第4巻
講談社
1977.1
コミック
旭丘光志画
講談社
1984.10
中国語版
*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。