炎の博覧会

夫婦が殺意を抱くとき。佐賀県を舞台にミステリー作家三人による競作。

*短編「迷路」収録  笹沢左保、夏樹静子との共著

【著者解説 2002/8/20】

佐賀に十余年住んでいた笹沢左保氏を介して、佐賀を知った。佐賀の穏やかな風光は、私にとてもよく馴染んだ。空気までが甘く柔らかい。笹沢氏、また福岡に居住する夏樹静子氏と佐賀三部作を書いて、合本とした。佐賀三部作パート2として、一年目のKISS』もある。

作家は自分一人の名前で読者と相対する。共著という形は少ないが、好きな土地や町を共通にして、3人の作家による三部作をパート2まで書いた例は極めて珍しい。それだけ佐賀に対する愛着が深いのであろう。

この三部作以外にも、私の作品には佐賀がしばしば登場する。同県相知(おうち)町長・大草秀行氏が、読者から苦情が来ないかと心配したほどである。私の郷里、埼玉、佐賀、熱海、長野、東京、神奈川は作品舞台として登場するベスト7である。

文藝春秋
1996.7

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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