殺意と遊ぶ少年

課長以上部長までの中間管理職用という菱井商事の“星渓寮”。都心のホテルにも劣らない設備を持つこの社宅に、課長代理の早野の一家が引越してきた。代理以下用の社員寮に空きがなかったからである。とたんに今までの住人から早野家に差別攻撃が始まった。それはやがて子供たちの遊びの場にまで広がって…。そんな中で部長夫婦の一人息子・則男(4歳)が行方不明に。誘拐か事故か?歪んだエリート意識が惹起させた憎しみと殺意。七つの短編を収録。

〈稚い殺意/妖獣の債務/異常の太陽/虚構の家族/空白の凶相/喪われた夕日/共犯の瞳〉

天山文庫
1991.11

*コスミック・インターナショナル
1994.3

ケイブンシャ文庫
1997.6

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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