虹の刺客(上下)

仙台藩六十二万石。伊達政宗を超える大器と期待された三代藩主綱宗は、幕閣大老酒井忠清と共謀した有力家臣伊達兵部に陥れられ、二十歳にして隠居の身となった。幼い亀千代を擁立し、大藩を壟断する兵部。伊達家の重臣原田甲斐は、密かに起死回生を図っていたが!?史上有名な伊達騒動の真実に迫る圧巻。

【著者解説 2002/8/16】

高校時代、伊達騒動を描いた山本周五郎作『樅の木は残った』を読んで、深い感銘をおぼえた。自分自身が小説家の末席に連なってから、私の伊達騒動を書きたいという願いが次第に脹らんできた。『星の陣』につづいて、三友社から全国地方紙共同配信の舞台をあたえられて、勇躍執筆したのがこの作品である。先行作品に有名な名作がある場合、それと同じテーマで書くことはかなり勇気を要する。

奏・始皇帝の暗殺を委嘱された一代の刺客・荊軻にヒントを得て、伊達62万石の興亡を担う刺客に託した森村版伊達騒動を描いた。執筆開始前、『雪の刺客』という原題であったが、「忠臣蔵」を連想させるので、このタイトルに変えた。『星の陣』につづいて、三友社では宝塚シリーズと呼んだ。

朝日新聞社(上)
1993.1

朝日新聞社(下)
1993.1

*朝日新聞社(上)
1997.1

*朝日新聞社(下)
1997.1

朝日文庫(上)
1999.11

朝日文庫(下)
1999.11

講談社文庫
2007.12

講談社文庫
2007.12

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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