コールガール(上下)

山陰の小都市から夢を抱いて上京した庵志津子が、銀座の一角に開いたクラブ「庵」は、政財界のVIPのサロンになっていた。毎夜のにぎわいは、抜群の立地条件と志津子の優れた経営手腕に負うところも多いが、「特殊接待」という客とホステスの秘められたサービスにも理由があった。その常連客の一人、三立産業の次期社長候補である山原正人専務は、ある日、自宅で暴漢に襲われる。妻の都美子が夫の財産を手に入れるため、不倫関係にあった柿田と共謀して命をねらったのである。ところが、山原はその暴漢を逆に殴り殺してしまう。森村ワールドの新しい地平線をひらく、官能ミステリーの傑作。

【著者解説 2004/11/8】

山陰の小都市から夢を抱いて上京したヒロインは、銀座の一隅にクラブ「庵(いおり)」を開店する。ここに集まる各界の大物と、庵の女性群の織り成す絢爛たる人間ドラマ。巨大利権に群がる人蟻たちの権謀術数は、やがて国際的なスパイ戦に発展し、日本の安全保障を脅かす。多彩な銀座のイルミネーションに彩られた男と女の束の間の恋の行方が、次第に大きなうねりとなって、森村ミステリーワールドを形づくる。今夜も銀座六丁目のクラブ「庵」に客が集まり、新たなドラマの幕を開いている。野心多き男たちと、夢を追う女性群が出会ったとき、銀座は一際華やかにきらめく。

幻冬舎
2003.11

幻冬舎
2003.11

*幻冬舎
2005.3

*幻冬舎
2005.3

幻冬舎文庫
2006.10

幻冬舎文庫
2006.10

*は新書サイズ、()内は別題名、複数作品収録の場合ならびに長編選集は〈 〉に内容を示した。◇は再編集本など。

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