【日本国憲法 前文】
【金沢弁】 桜井裕子氏
前略
わたしらは、どんな国であろうとも、自分の国のことだけ考えて、自分らだけ、いい思いをするがやなんて思うたらだめながでっそぉ~。ほんなことは、絶対にしたらいかんがやねぇ~。正しい、立派な政治ちゅうもんな、人間が正しいことを正しいがにやる道理にかのうたものながや。ほれは、世界中かいつでも、何処ででも当てはまるもんながやねぇ~。
ほしたら考え方にたつことで、それぞれの国の独立や、その国の政治が成り立つがですわいね。ほれでこそ、はじめて、国と国との間の平等、対等な関係がちゃんとうまいこと保たれますがや。ほやさかい、こうしたことは、それぞれの国が絶対守らんといかんつとめながやと信じとるがです。
わたしら日本国民は、わたしらの名誉にかけて、全力をあげて、この気高く、尊い理想を掲げて、その目的を実現していくために力のある限り努力することを誓います。
【上州弁】(森村の郷里の隣県、最も近い方言)
わたしら日本の国民な、みんながわりいことかんげえねえでいて、よいじゃねえ思いしねえで、安心して生きらいる平和な世界を心から願ってるんさ。そいで、もしも国と国とが戦争おっぱじめたとするだんべ。
だからっつってさあ、なんかしゃあ理由こしゃえて軍隊送って武力で解決するなんてしちゃっちゃあ、ま~た憎しみを生むだけだんべがね。
よそ様の所なんて行がっといいがね。だから、これからさきゃあ武力の行使っからは尻はしょっちゃうんさ。
それでな~よ、ハァ戦争はしめぇにするって決めたからさあ、陸、海、空軍ずらねえ。ミサイル、爆弾だの、おっかねえ武器はなあんにも持たねえん。
軍備増強だなんつうことは、おっぷっときゃあいいんさ。そんで国は戦争してもよかんべやなんていうんな、ハァ、絶対認めん。
【福井弁】
わちらぁ日本国民はの、人としてぇ、いいこと、悪い事を、人の道に従うぅ考え方を基本にの、力いっぱい願いを込めてぇ、世平和を保つ為にぃ、軍隊やらミサイル、戦車やらでぇ驚かしたりしる。悪い事をの、永久に投げてむてぇ、戦争はぁ認めんしぃ、させんのやって決めたんやといのぉ。
ほいての、目的をぉ守る為にの、戦車やら潜水艦、ミサイルやらぁ、他の戦力を持たんのや。ほいてぇ、日本はぁ、戦争しる権利もぉ、投げてまうしぃ、認めんってぇ決めたんやざぁー。
ほーやってせんかったらぁ、世界中がの、わけもねぇことんなってまうんやざぁ。おとろっしゃのうぉ。
【福井弁】(訳者 坪川令子氏)
うららぁ、日本国民はの、一人ひとりがぁ、人間らしい生きる為にの、根性据えてぇ、世界の平和をぉ願うてがんばるんやぁ。
ほいての、軍隊はの、孫子の代まで持たんしぃ、軍隊はぁ、ちょっこしもせんぞっての、誓こうたんやざ。
【信州弁】(北信)
「おらほのことばで憲法を」 原山晃氏(長野県退職・教職員会長)
おらあだりゃなえ
なにょっ「おらあって何だ」
なんだせったって おめえ
「日本国民」ってこんだらず
おらあだりゃなえ
ひんまがったこたあ でえっきれだで
しゃばじょうのしょうと
あんべよく 暮らさずと思ってるだなえ
国と国だってなえ おめさん
えっくらけんかこえたっていいこたあ何もねえさ
けんか好きなんてやんどまあ、やくざじゃねえかえ
鉄砲だ爆弾だせうもんもなえ
使っちゃえけねもんなんだぜ
使っちゃえけねだけだねえで
鉄砲や爆弾せえもんはなえ
持っちゃえけねえもんだらず
持ちゃおめ使っちまうだねえかなえ
持たねえのが えちばんだらず
こりゃおめ 憲法で決めてるこんだで
戦争になりゃなえ
みんな殺されちゃうだで、ふんとだで
イラク見たって、もうらしいだねえかえ
イラクのぼこ見て おめさんなっちょだえ
ふざけるでねえど おい
てえげにしろせんだ
憲法変えるせえこんせってるもんえるけんど
そんなこんさせてたまるか
おえ おえ わんだれ
若けえしょも 年寄りしょも
男しょも 女しょも ずく出して えっぺ出して
憲法守って 戦争しねように
みんなでやらずだねえかえ
ごくなしどもだって みんな集まりゃ
でけえ力になるもんだで なえ
【名古屋弁】(井上池鶴氏 )
日本国民はよぉ、正義と秩序を基調としとりゃーす国際平和を誠実に希求せなかんのだわ。
だで、国権の発動っちゅー戦争とかよぉ、武力によりゃーす威嚇もだがや、ほれか武力の行使は国際紛争をまぁるうおさめる手段としては永久にこれを放棄するんだて。
ほいで、前項の目的をあんじょうようするため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持せえへん。
国の交戦権はこれを認めぇせん。
【関西弁憲法第九条】(田中嘉治氏)
一項
日本の国民はな、正義と秩序ちゅうもんを基調とする、国際平和を誠実にやな、希求してな、そいで、国権の発動たらなんたらいう戦争と武力による威嚇とかやな、または行使ちゅうもんは、国際紛争を解決しよる手段としてはな、ずっとこれからも永久にな、これを放棄するんや。
二項
前の項のな、目的を達成するにはやな、陸海空軍や、そのほかの戦力はやな、これを持てへんのや。国の交戦権ちゅうようなもんは、これを認めたらあかんのや。
「悪魔の飽食全国合唱団協力」
会津弁「憲法第9条」(河原田ヤスケ氏作)
俺達(オラダヂ)日本国民はなし、正義を大事にする国なんだし。
なんでがっつうど、良い(エエ)ごど悪いごどの道理ど、筋道の通った正義を大事にすっぺ。
そして、いいあんばいに暮らせる世の中につぐっごどを、心がら願ってんだし。
んだがら、ほがの国どいっぺい仲良(ながよ)ぐして、なじょしても戦争だけはしねえっつう、三つの約束決めたんだなし。
一づめは、
昔だったらなし、世界では、「戦争はじめっぺい!」つうって「号令」かげっど、すぐ戦争おっぱじめだべし。
んだげんじょ、今の俺達はそったらごど思ってねえんだよ。
あど、ほがの国がゆうごどきかねえもんだがら、「にさ!原爆でもミサイルでもぶっこむぞう」つって、おどがすごどもねぐなったんだし。
はっきりいうど「これがらは、戦争は絶対やっちゃ駄目だ!」つって、日本国民は心に誓ったんだべな。
二づめは、
今しゃべったごどを守るだめにも、軍隊や武器は持っちゃなんねえごどになったんだ。
陸軍だどが、海軍、そして空軍なんかもあだりめえだべ。
そして、爆撃機だ、戦闘機だ、軍艦だ、潜水艦だ、戦車だ、ましてや原子爆弾どが、ミサイルなんつうもんもだ。
それがら、若げいもんを無理やり赤紙一枚で、兵隊にぶっこむ徴兵制もねぐなったんだ。
軍事を持ってねげれば、戦争もできねえべ。
それがら、三つめはなし、
これが一番大事なんだげんじょも、俺達の政府が戦争おっぱじめるつう権利「国の交戦権」だな、
これは、なじょしても絶対認めではなんねえんだ、「みどめねえ」って書いであっぺいな!
みんなわかったべ!
憲法9条、戦争の放棄、いい言葉だべ。
んじゃ、だまってねえで声だしてくんつえよ!
【京都府】舞妓ことば
「全国お郷ことば・憲法9条」坂井泉氏編集より抜粋
1. いやあ、あてらみんながほっこりええ気持ちで過ごせるような社会が、ほんまに来たらええなぁ思うとるんどす。そやさかい、どこぞのお国がいけずなことしぃはったかて、どないなこたあっても、てっぽ(鉄砲)持ってわやくちゃ(無茶苦茶)したりぜぇったいせえしまへん。そないなことしたら子ぉたちがどんな思いするか、どうぞ考えとくれやす。兵隊さん送るやなんて、てんご(悪い冗談)いわはったらあきまへん。送るんやったらおせんやべべにしときなはれ。
2. あてらきっぱり決めたんどす。戦争ほかした(捨てた)んやさかい、爆弾やら大砲やら、これからずぅっと持たしまへん。誰が何ゆうたかて、戦こうたらあかんのどす。まあぶぶ漬けでも一杯どうどす? えっ、いらしまへんか? ほなおおきに。
【京都弁】(堀井令以知氏)
1. 日本の国民は、正義と秩序をもとにした国際平和をちゃんとほんまに願うてますさかい、国の権力によっていくさを起こしたり、武力によっておどかしたり、武力を実際に使うことは、国際紛争を解決するための手段としては、永久に放棄してしまうのどす。
2. 前項の目的をやり遂げようとするためやったら、陸海空軍その他の戦力は、これをもつことはあらしまへん。国家がいくさをする権利もおへんし、これを認めることもできしまへんのどす。
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